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智廣大阿闍梨の京都一乗院晋山式が無事円成

2019年10月15日~17日、京都四明山一乗院にて第一代院主智廣大阿闍梨の晋山式が行われた。上座部仏教、中国仏教、チベット仏教、日本仏教の高僧大徳が一乗院に集まり、それぞれの相承の作法に則って儀式を…

2019.11.22

2019年10月15日~17日、京都四明山一乗院にて第一代院主智廣大阿闍梨の晋山式が行われた。上座部仏教、中国仏教、チベット仏教、日本仏教の高僧大徳が一乗院に集まり、それぞれの相承の作法に則って儀式を取り行い、智廣大阿闍梨のために祈りを捧げた。国内外から200名を超える四衆弟子や各界の名士が駆けつけ、この歴史に残る殊勝な儀式を共に見守った。

智廣大阿闍梨は華人の歴史上初、台宗三部都法大阿闍梨、真言宗醍醐派権大僧正、伝灯大阿闍梨の位を授かっている。また、三十年余りの間、九十名を超える高僧大徳に帰依し、中国仏教、上座部仏教、日本仏教の清浄な相承の法脈を受け継いでこられ、京都伏見区の醍醐御陵東裏町にて九百年以上前の一乗院を修復し、再興した。一乗院では、各教法の伝承に対する尊重と、仏陀の一仏乗思想の宗旨に基づき、この三日間で日本天台宗、中国漢伝仏教、チベット仏教、日本真言宗、およびスリランカの上座部仏教それぞれの形式での晋山式が執り行われた。また、仏教各宗派の代表者と、学術界の代表者により「仏教のグローバル化と現代密教の弘法」というテーマで対談が行われた。

法要一日目——日本天台宗と中国漢伝仏教による晋山式

10月15日は智廣大阿闍梨の誕生日でもあり、雨上がりの晴れ渡った気持ちの良い早朝、一乗院は雨露に濡れ輝き、格別に荘厳な雰囲気だった。

午前10時、衲衣を身に纏った智廣大阿闍梨は、一乗院僧団を率い、日本天台宗比叡山延暦寺長﨟(龍谷山水間寺貫主)の武覚超大僧正、比叡山行院の福惠善高院長、松寿院武円超大僧都、および中国無錫顕雲寺、河南大准提寺の僧団と行列になり、来賓や四衆弟子の歓迎の中、一乗院の参道を抜け、本堂に到着。本尊の阿弥陀仏聖像と法華曼陀羅の前で晋山式の法要を執り行った。

智廣大阿闍梨と武覚超大僧正、福惠善高院長、武円超大僧都が列になり一乗院の門をくぐる様子

来賓として、真言宗醍醐派第11代管長、醍醐寺第103世座主の仲田順和大僧正をはじめ、高野山金剛峯寺前執行長(真言宗508世法印)、前宗総務長、高野山無量光院前住職である土生川正道大僧正、日本種智院大学副学長である児玉義隆大僧正、中国西安・大興善寺の副監院、日本高野山大学大学院博士の釋宏涛法師、オーストラリア・ホワイトターラ寺のゲシェ・ソナム住職住職、中国無錫顕雲寺・横山寺の釋計華住職、河南准提寺の釋悟然住職、イタリアゾクチェン同修会の幻輪ヨガスペシャルインストラクターである法標・安椎扣氏、華南師範大学王益鳴教授など、仏教各宗派の代表および社会各界の専門学者が、日本天台宗と中国漢伝仏教の儀式を主とした晋山式に臨席した。

法要では、まず武覚超大僧正が大導師を務め、天台宗伝統の形式で法要を執行。続いて、釋計華法師が中国の僧侶たちを率いて読経、祈願を捧げた。

武覚超大僧正が天台宗伝統の形式にて法要を行われる様子

釋計華法師が中国漢伝僧侶たちを率いて読経、祈願をした

法要後に智廣大阿闍梨が京都四明山一乗院の歴史に触れながら、ご挨拶をされ「『醍醐新要録』という古書には、寛治四年(1090年)に一乗院が創建され、法華曼陀羅を本尊として祀り、毎日朝晩に法華法を修行していたという記載がある。恩師である仲田順和大僧正猊下は、私たちが一乗という言葉を宗旨としていることをご存知の上で、千年古寺の再興を私に託された。それがこの四明山一乗院です」と述べられた。

式辞を述べられる智廣大阿闍梨

平成30年(2018年10月27日)の智廣大阿闍梨の入山式から一年間、一乗院では、日夜たゆまず修行に精進してきた。経典の解説や弘法、護摩法会、超度法会などを行うと同時に、インターネットを用いてオンラインで世界中の人々が法要、開示、放生など活動できるような配慮もされている。

また、大阿闍梨は「一乗院は、一仏乗を宗旨とし、顕教と密教のそれぞれの清浄な伝承の継承、および各宗派間の団結を促進する交流、特に唐密教の教法を再興させるために日中の文化交流を通し、両国の友好と世界平和を実現させたい」と述べられた。

続いて、武覚超大僧正、仲田順和大僧正、土生川正道大僧正、釋宏涛法師、ゲシェ・ソナム住職、釋計華法師、釋悟然法師、法標・安椎扣氏もそれぞれご挨拶を述べられた。

武覚超大僧正は「天台密教は今から約1200年前の唐の時代、比叡山の慈覚大師円仁が中国の長安より伝えた秘法であります。智廣大阿闍梨がこの唐密の中国での再興を目標とされ、活動されていることは誠に尊く素晴らしいことであります。今回の一乗院への晋山は唐密復興活動の為の日本での拠点としての役割を果たすことにもなることでしょう。大いに期待いたしております。」

「また晋山された一乗院の名の如く、智廣大阿闍梨は天台の法華一乗の教え、並びに密教の真言一乗など、すべての衆生が救われ成仏を目指す一乗仏教を特に大事にされ、如来の根本義である大慈大悲の活動を展開されております。その活動は、中国大陸のみにならず、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパなど全世界に及んでいますが、この一乗院の晋山によって、日本での活動が更に一層進展することを心から祈念申し上げます。」と述べられた。

式辞を述べられる武覚超大僧正

仲田順和大僧正は式辞の中で、「智廣阿闍梨はチベット仏教及び、天台宗が創立された台密、真言宗空海によって伝承された東密に対し、この三つの密教において、学問的にも、そしてまた祈りの世界の修行の面でも、完成しておられます。

そして智廣阿闍梨は真言密教、天台密教を含む総合密教を一つにし、融合、貫通させ中国に伝え戻すことに取り組んでいる。私はこのことに対し、とても期待している。これらの取り組みが中国政府に認められ、中国社会に受け入れられ、広められることを願っております。」と述べられた。

式辞を述べる仲田大僧正

土生川正道大僧正は式辞の中で「智廣阿闍梨は中国だけでなく、マレーシア等アジア各国からヨーロッパ各国に至るまで、一切衆生を大悲し、衆生の痛みを己の痛みとし、衆生の喜びを己の喜びとしている。密教の教義は現代の人々のあらゆる必要に応えるに最も適した教法であり、智廣阿闍梨はこの教法を実践するに相応しい人物であると、私は確信をもっている。」と述べられた。

式辞を述べられる土生川正道大僧正

さらに、智廣阿闍梨と共に唐密教の伝え戻し事業に励んでいる釋宏涛法師は式辞の中で智廣大阿闍梨を賛嘆し、「阿闍梨悲智廣大、徳相を具足し、衆生のために労することを惜しまず、教えを広めるために駆け回っている。このことを思う度に感動し、『法華経』の中の「弘誓深如海」という句を思い出す。」と述べられ、四明山一乗院を祝福し「宏開普門化度,大述密藏宗風;拓三途之覚岸,匯一乗而使帰!」と詠みあげた。

式辞を述べられる釋宏涛法師

御来賓による式辞(ゲシェ・ソナム住職、釋計華法師、釋悟然法師、法標・安椎扣氏)

正午は、仲田順和座主猊下のご厚意で、御来賓一同は三宝院に招かれ昼食。その後、一同は醍醐寺修証殿に集い、一乗院慧寶師の司会進行により、仲田順和座主、福恵善高院長、智廣大阿闍梨、釋宏涛法師、ゲシェ・ソナム住職、法標・安椎扣氏、王益鸣教授及び、一乗院首座慧智阿闍梨ら八名の高僧大徳が「仏教のグローバル化及び密教の現代的な弘法」というテーマで対談を行った。地球村(グローバル・ビレッジ)といわれるこの時代背景にあって、地域や国境や宗派を超え、仏教を輝かしく発展させる方法や理論を展開し、「仏教のグローバル化」がもたらす宗派間のコミュニケーションや融合、密教の現代での発展等について、更に深く討論し意見を交換した。来場していた四衆弟子や各界の人士は輝かしい知恵の盛宴を目の当たりにすることとなった。漢伝仏教、チベット仏教、日本仏教等の各宗派の代表及び、学術界の代表が揃って講壇に上がり、共に仏教各宗派の殊塗同帰、一乗に帰するというリメ(超教派)思想が繰り広げられた。

「仏教のグローバル化及び密教の現代的な弘法」対談の様子

「仏教のグローバル化及び密教の現代的な弘法」対談の様子(左から順に、王益鸣教授、釋宏涛法師、福惠善高院長、智廣大阿闍梨、仲田順和座主、ゲシェ・ソナム住職、法標・安椎扣氏、慧智阿闍梨)

対談は四時間近くも続き、壇上も聴衆もひとつになって打ち解け盛り上がり、そこには仏法が興盛し、仏教ファミリーが和気藹々としている光景が広がっていた。賢者達のこの上なく絶妙な知恵のハーモニーは甘露を飲む如く、法喜に満ち、その時が終わるのが名残惜しく感じられた。

法要二日目—チベット仏教晋山式

10月16日、オーストラリアホワイトターラ寺のゲシェ・ソナム住職が自ら、智廣大阿闍梨の為にチベット仏教晋山式を執り行った。

朝7時、智廣大阿闍梨自ら、まず一乗院の護摩堂でパドマサンバヴァ(蓮華生大師)大円満の護摩を行い、晋山式の円満を祈った。朝10時、ゲシェ・ソナム住職とご来賓一同は一乗院の門前に整列、ゲシェ・ソナム住職と智廣大阿闍梨のお二人で五色のカターをテープカットした。鋏が入りテープが切れると同時に、一乗院の山門がゆっくりと開き、智廣大阿闍梨は舞い散る花吹雪を浴びながら一乗院の門をくぐり、蓮師堂まで歩み進んだ。そして、師君三尊の前で、チベット仏教の高僧であるゲシェ・ソナム住職とご来賓の皆様による誦經と祝福を受け、また、四衆弟子たちを代表として悟然法師、妙善法師、慧智師、慧宝師から曼扎(manza)並びに、佛陀の身口意を表す仏像、仏経、仏塔の贈呈を受けられた。

智廣大阿闍梨が一乗院護摩堂でパドマサンバヴァ大円満の護摩供を行う様子

チベット仏教晋山式を円満に終え、大阿闍梨は、「今回の晋山式は、世界中で最も重要な仏教伝承を代表する方々が揃って一乗院にいらしてくださり、「一仏乗」思想として非常に良い縁起となった。私は一乗院を、宗派を超えた道場にしたいと強く願っている。そして、清浄な仏教の伝承はどれでも広く伝えられるようにと願っている。」

「私たちがしている全てのことの最終目的は、衆生に利益をもたらすことであり、私たちが顕密圓通の教法通りに修行し、より早く成仏することで、更に力が得られ、一切衆生に利益をもたらすことができる。これは私達にとって一番重要な思想のひとつです。皆さんがまず自覚し、それから覚他し、そして覚行窮満できるように願っています。これは私たち全ての仏弟子の共同の目標です。」と述べられた。

最後に、ゲシェ・ソナム住職と智廣大阿闍梨は花びらと米を撒いて参列者を加持し、談笑の中で、和やかにチベット仏教晋山式を円満に終えた。

法要三日目——日本真言宗と上座部仏教の晋山式

10月17日(旧暦9月19日)は、ちょうど観世音菩薩の出家記念日にあたる。午前9時45分、智廣大阿闍梨は衲衣を身に纏い、醍醐寺僧団、顕雲寺僧団、准提寺僧団、一乗院僧団と行列を組み、醍醐寺の北門から一乗院へ向かった。

智廣大阿闍梨と醍醐寺僧団,顕雲寺、准提寺僧団,一乗院僧団が列になり一乗院に向かう様子

午前10時、一乗院の本堂にて晋山式法要が始まった。まず、智廣大阿闍梨の先導で、醍醐寺僧団、一乗院僧団は共に、日本真言宗の伝統的な方式でお経を唱え、仏法興隆、人民安楽、国土安定、世界平和を祈った。それから、スリランカの光明山普覚寺から来られた住職の达玛科提·瑟罗法師が晋山式のために読経祈願し、智廣大阿闍梨のために、生花で荘厳された灯塔という非常に素晴らしい贈り物をされた。

智廣大阿闍梨が晋山式にて、日本真言宗の伝統的な方式で修法する様子

達玛科提·瑟罗法師が晋山式のために読経祈願する様子

初めに、一乗院代表の智廣大阿闍梨と上座部仏教代表の逹玛科提·瑟罗法師が法灯をつけ、日本仏教代表、醍醐寺宗務総長壁瀬宥雅様、チベット仏教代表のゲシェ・ソナム住職と法標様、漢伝仏教代表の計華法師、浄旻法師、悟然法師など、仏教各宗派を代表する方々、王一鳴教授、邢東風教授、張順平教授など学術界を代表する方々、一乗顕密仏教センターの各地代表、及び世界各地からのご来賓の皆様が順に、この仏教の光明、団結、繁盛、伝承を象徴する法灯の塔に灯をともした。

逹玛法師が法灯に点火する様子

智廣大阿阇梨が法灯に点火する様子

智廣大阿闍梨は晋山式で挨拶をし、当日来場した醍醐寺の僧侶たちに感謝の言葉を述べられた。特に達玛法師に「スリランカは唐密教の最も重要な祖師である不空三蔵がかつて普賢阿闍梨に密法を学んでいたところであり、今日は達玛法師にお越しいただき、しかもスリランカからこんなに殊勝的で、荘厳な法灯の塔を持ってきていただけたことは、本当に殊勝な縁起だ。」と感謝の意を述べられた。

続いて、醍醐寺の壁瀬宥雅宗務総長もご挨拶し、智廣大阿闍梨に伝灯阿闍梨の印信を授与された。式辞の中で祝福の気持ちを述べられた後、「智廣阿闍梨との出会いで最も印象深いのは、世界平和のために、醍醐寺の伽藍内に宝篋印陀羅尼塔を建てたことです。私の知る限りでは智廣阿闍梨は醍醐寺に来られる前に各国の仏法を習得され、その後醍醐寺座主仲田猊下との深いご縁により、醍醐寺で修学し真言密教を習得されたとのこと。一乗院が根本道場として、智廣阿闍梨の努力を通じて、空海大師が伝えてくださった伝承と、1200年間守り続けてこられた貴重な教法を中国並びに世界へと伝え拡げていくことを願っています。」と述べられた。また、普陀山螺溪伝教院から来られた住職、天台宗第47代目後継者浄旻法師及び、逹玛法師もそれぞれ祝辞を述べられた。

醍醐寺壁濑宥雅宗務総長が智廣大阿闍梨に伝灯大阿闍梨の印信を授けた

醍醐寺壁濑宥雅宗務総長によるご挨拶

一乗院智廣大阿闍梨のこの度の晋山式は、参加することができなかった、噶陀寺の黄金法台莫紮法王、竜欽寧提祖庭扎嘉寺のパトゥル·リンポチェ五世、ラルンガル·ゴンパ僧院のケンポ・丹増拉巴と登克活仏、ケンポ・晉美卓攀、亜青寺の澤登活仏、嘎絨寺の白瑪程列活仏、色達甲修寺の青澤尼瑪活仏、江頂寺の銀彭活仏及び智美活仏、徳格麻根寺の彭措活仏等の高僧大徳の方々からも次々と貴重な音声メッセージでのお祝いの言葉が寄せられた。

続いて、華南師範大学教授である王益鳴様,北京市明徳書院理事長、院長張順平様,一乗シンガポール顕密仏教センター郭思鋭会長,一乗オーストラリア顕密仏教センター代表の応雨盧様,一乗香港顕密仏教センターの容綪廷秘書長、一乗オーストリア顕密仏教センターの劉暁彬会長,台湾中華一乗顕密仏教交流協会とマレーシア北海居士林様などの方々からもお祝いの言葉が寄せられた。

一乗オーストリア顕密仏教センター劉暁彬会長による祝辞

一乗シンガポール顕密仏教センター郭思鋭会長による祝辞

一乗オーストラリア顕密仏教センター代表応雨盧様の祝辞

一乗香港顕密仏教センター秘書長の容綪廷様による祝辞

台湾中華一乗顕密仏教交流協会代表游基田様による祝辞

王益鸣教授は祝辞の中で,最澄大師と空海大師の密教伝承はいずれも不空三蔵法師から来たものであり、智廣阿闍梨も不空三蔵法師のように密教各宗派をひとつにし、密教をさらに広め発展させることを期待しているという思いを示された。

華南師範大学の王益鳴教授による祝辞

張順平理事長は祝辞の中で、「智廣阿闍梨が仲田順和座主に帰依し修習し、一乗院を晋山したことは、まるで千年前の因縁の再現のようであり、千年前の授記の実現でもあります。」と述べられ、以下の詩を詠み祝福の意を示した。

一乗転法華,貧子識珠御三車,普門度恒沙。

金胎耀千年,護国済世踵前賢,続焰更綿延。

清秋葉正紅,詩囊盛喜似酒濃,法誼両邦同。

北京市明德書院理事長、院長張順平様による祝辞

3日間の法要が円成した後、全員揃って醍醐寺の唐門の前で記念撮影をした。

正午、智廣大阿闍梨と、醍醐寺座主仲田順和大僧正猊下、達瑪科提·瑟羅法師、ゲシェ・ソナム住職等の御来賓が祝賀会に参加した。祝賀会において、智廣大阿闍梨は、恩師である醍醐寺仲田順和大僧正猊下及び醍醐寺の僧侶達に深い感謝の意を示された。阿闍梨は「私はとても平凡な人間であり、特別にアピールできるような功徳もありません。ささやかながら今日このようなことを成し遂げられたのは、恩師仲田順和座主また、高僧大徳ご各位、すべての醍醐寺の僧侶達、各界の友人、すべての弟子が支えてくださったからであり、みなさまの功徳のおかげです」

「今日の晋山式にあたって、私の心は感謝でいっぱいです。特に、恩師である仲田座主猊下に感謝しています。もし御座主がいなければ、一乗院もありません。また、醍醐寺の僧団もそうです、彼らがいなければ一乗院もなかったことでしょう。改めて今一度座主猊下へ、そして醍醐寺僧団へ感謝を捧げます。この7年間私を支え続けてくださったことを、深く感謝申し上げます。」と謝辞を述べられた。

醍醐寺修証殿にて謝辞を述べる智廣大阿闍梨

智廣大阿闍梨は仲田順和座主猊下の恩徳への感謝を表し、座主猊下の健康長寿を願って、世界中の弟子に准提観音真言を一億遍唱える共修を発起するとともに、座主の為に長久住世祈祷文を捧げた。

清净法身大日如来尊,伝承金剛一乗甚深教。

千年醍醐真言唯一人,唐密帰華全心報恩者。

如同至尊惠果阿闍梨,唐密回伝大師祈住世。

准胝観音薬師如来等,長寿諸仏祈賜大加持。

祈願順和大阿闍梨尊,弘法利生長寿祈住世。

大阿闍梨は自分には文才がないと謙虚におっしゃったが、ご自身の心の声を表したという。その後、阿闍梨は一句一句皆さんに解説をしてくださった。大阿闍梨の恩師に対する深い感謝、及び仲田順和座主の中国に対する恩に報いたいという心、日中の唐密教伝道者が共に唐密教の回伝の為に努力をしているということ。それらは、聴衆の心を深く感動させ、多くの弟子達は思わず涙を流した。

続いて、智廣大阿闍梨は特別に、仲田順和大僧正猊下に長寿仏を贈呈し、恩師の長久住世を祈った。

智廣大阿闍梨が仲田順和大僧正猊下に長寿仏を贈呈される様子

その後、智廣大阿闍梨は、「世界平和、文化交流、そして共に国家に対し、社会に対し、世界に対し有意義な事をする」を趣旨とする一乗「友の会」の設立を宣言し、仲田順和大僧正猊下を一乗「友の会」の導師として招請された。

仲田順和大僧正猊下は、感想の言葉を述べられ、智廣大阿闍梨及びその弟子たちに対する深い厚情を表すと共に、しっかりと智廣大阿闍梨についてよく学ぶようにと呼びかけられた。

仲田順和大僧正猊下は、「中国のより多くの若者、特に若い法師達が、日本に来て、醍醐寺で学び、修行をしてほしいと心から願っております。私と智廣阿闍梨はみなさんに良い環境を整えているところで、現在、真言宗の種智院大学に、その架け橋をつくって、すでに何名か種智院大学に留学をしている。ですから、僧侶の修行も醍醐寺で修学と修行ができるように手配することができます。茶道、華道の勉強も醍醐寺ですることができます。そうすれば、若者はここで学んだものを中国へ持ち帰り、中国で大きく広めていくことができるでしょう。私はこのような素晴らしい条件の整った流れを作り上げたいと思っています。」

「また、智廣阿闍梨の身分は醍醐寺が責任をもって保証致します。智廣阿闍梨は物見遊山の修行僧ではなく、真の修行僧であります。このことは、他から不適切に評価されるのを防ぐために言っておきますが、智廣阿闍梨は醍醐寺がしっかり保証しているので、みなさんどうぞご安心ください。今まで皆様にご協力させていただいている醍醐寺の僧侶達も、智廣阿闍梨を支持し、背後からの支えとなると思います。これからもよろしくお願いします」と述べられた。

醍醐寺修証殿にて感想の言葉を述べる仲田順和大僧正猊下

仲田順和座主は来場の一人一人に、醍醐寺三宝院開創九百年の記念硬貨という貴重な贈り物をしてくださった。智廣大阿闍梨とその場にいた弟子たちは丹精を込めて準備した金剛舞などの出し物を座主猊下に感謝と祈祷の念を込めて披露した。

金剛舞を仲田順和座主猊下に披露する智廣大阿闍梨の弟子達

最後に、会場では阿闍梨のサイン会を行い、智廣大阿闍梨の書籍を購入した来賓ひとりひとりに記念として、直筆でサインを書かれた。大阿闍梨は、丁寧に一筆一筆サインを書かれ、その字には大阿闍梨の衆生が離苦得楽し、成仏解脱するようにという慈悲の心が込められていた。

書籍を購入した来賓に記念に直筆のサインを書かれる智廣大阿闍梨

一乗院の晋山式は単に、智廣大阿闍梨の唐密教回伝の一過程というだけでなく、各宗派の交流と団結を促す盛儀となった。この円満吉祥な晋山式は、智廣大阿闍梨が四衆弟子を率いて仏法を広め、衆生を利益することの新起点でもある。智廣大阿闍梨の弘法利生の事業が拡大し、円成し、国家安泰、国民平安、仏法興盛、衆生成仏となるよう心から願うものである。

醍醐寺唐門前で記念撮影
 

智廣大阿闍梨の京都一乗院晋山式が無事円成

智廣大阿闍梨の京都一乗院晋山式が無事円成

2019-11-21

2019年10月15日~17日、京都四明山一乗院にて第一代院主智廣大阿闍梨の晋山式が行われた。上座部仏教、中国仏教、チベット仏教、日本仏教の高僧大徳が一乗院に集まり、それぞれの相承の作法に則って儀式を取り行い、智廣大阿闍梨のために祈りを捧げた。国内外から200名を超える四衆弟子や各界の名士が駆けつけ、この歴史に残る殊勝な儀式を共に見守った。

智廣大阿闍梨は華人の歴史上初、台宗三部都法大阿闍梨、真言宗醍醐派権大僧正、伝灯大阿闍梨の位を授かっている。また、三十年余りの間、九十名を超える高僧大徳に帰依し、中国仏教、上座部仏教、日本仏教の清浄な相承の法脈を受け継いでこられ、京都伏見区の醍醐御陵東裏町にて九百年以上前の一乗院を修復し、再興した。一乗院では、各教法の伝承に対する尊重と、仏陀の一仏乗思想の宗旨に基づき、この三日間で日本天台宗、中国漢伝仏教、チベット仏教、日本真言宗、およびスリランカの上座部仏教それぞれの形式での晋山式が執り行われた。また、仏教各宗派の代表者と、学術界の代表者により「仏教のグローバル化と現代密教の弘法」というテーマで対談が行われた。

法要一日目——日本天台宗と中国漢伝仏教による晋山式

10月15日は智廣大阿闍梨の誕生日でもあり、雨上がりの晴れ渡った気持ちの良い早朝、一乗院は雨露に濡れ輝き、格別に荘厳な雰囲気だった。

午前10時、衲衣を身に纏った智廣大阿闍梨は、一乗院僧団を率い、日本天台宗比叡山延暦寺長﨟(龍谷山水間寺貫主)の武覚超大僧正、比叡山行院の福惠善高院長、松寿院武円超大僧都、および中国無錫顕雲寺、河南大准提寺の僧団と行列になり、来賓や四衆弟子の歓迎の中、一乗院の参道を抜け、本堂に到着。本尊の阿弥陀仏聖像と法華曼陀羅の前で晋山式の法要を執り行った。

智廣大阿闍梨と武覚超大僧正、福惠善高院長、武円超大僧都が列になり一乗院の門をくぐる様子

来賓として、真言宗醍醐派第11代管長、醍醐寺第103世座主の仲田順和大僧正をはじめ、高野山金剛峯寺前執行長(真言宗508世法印)、前宗総務長、高野山無量光院前住職である土生川正道大僧正、日本種智院大学副学長である児玉義隆大僧正、中国西安・大興善寺の副監院、日本高野山大学大学院博士の釋宏涛法師、オーストラリア・ホワイトターラ寺のゲシェ・ソナム住職住職、中国無錫顕雲寺・横山寺の釋計華住職、河南准提寺の釋悟然住職、イタリアゾクチェン同修会の幻輪ヨガスペシャルインストラクターである法標・安椎扣氏、華南師範大学王益鳴教授など、仏教各宗派の代表および社会各界の専門学者が、日本天台宗と中国漢伝仏教の儀式を主とした晋山式に臨席した。

法要では、まず武覚超大僧正が大導師を務め、天台宗伝統の形式で法要を執行。続いて、釋計華法師が中国の僧侶たちを率いて読経、祈願を捧げた。

武覚超大僧正が天台宗伝統の形式にて法要を行われる様子

釋計華法師が中国漢伝僧侶たちを率いて読経、祈願をした

法要後に智廣大阿闍梨が京都四明山一乗院の歴史に触れながら、ご挨拶をされ「『醍醐新要録』という古書には、寛治四年(1090年)に一乗院が創建され、法華曼陀羅を本尊として祀り、毎日朝晩に法華法を修行していたという記載がある。恩師である仲田順和大僧正猊下は、私たちが一乗という言葉を宗旨としていることをご存知の上で、千年古寺の再興を私に託された。それがこの四明山一乗院です」と述べられた。

式辞を述べられる智廣大阿闍梨

平成30年(2018年10月27日)の智廣大阿闍梨の入山式から一年間、一乗院では、日夜たゆまず修行に精進してきた。経典の解説や弘法、護摩法会、超度法会などを行うと同時に、インターネットを用いてオンラインで世界中の人々が法要、開示、放生など活動できるような配慮もされている。

また、大阿闍梨は「一乗院は、一仏乗を宗旨とし、顕教と密教のそれぞれの清浄な伝承の継承、および各宗派間の団結を促進する交流、特に唐密教の教法を再興させるために日中の文化交流を通し、両国の友好と世界平和を実現させたい」と述べられた。

続いて、武覚超大僧正、仲田順和大僧正、土生川正道大僧正、釋宏涛法師、ゲシェ・ソナム住職、釋計華法師、釋悟然法師、法標・安椎扣氏もそれぞれご挨拶を述べられた。

武覚超大僧正は「天台密教は今から約1200年前の唐の時代、比叡山の慈覚大師円仁が中国の長安より伝えた秘法であります。智廣大阿闍梨がこの唐密の中国での再興を目標とされ、活動されていることは誠に尊く素晴らしいことであります。今回の一乗院への晋山は唐密復興活動の為の日本での拠点としての役割を果たすことにもなることでしょう。大いに期待いたしております。」

「また晋山された一乗院の名の如く、智廣大阿闍梨は天台の法華一乗の教え、並びに密教の真言一乗など、すべての衆生が救われ成仏を目指す一乗仏教を特に大事にされ、如来の根本義である大慈大悲の活動を展開されております。その活動は、中国大陸のみにならず、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパなど全世界に及んでいますが、この一乗院の晋山によって、日本での活動が更に一層進展することを心から祈念申し上げます。」と述べられた。

式辞を述べられる武覚超大僧正

仲田順和大僧正は式辞の中で、「智廣阿闍梨はチベット仏教及び、天台宗が創立された台密、真言宗空海によって伝承された東密に対し、この三つの密教において、学問的にも、そしてまた祈りの世界の修行の面でも、完成しておられます。

そして智廣阿闍梨は真言密教、天台密教を含む総合密教を一つにし、融合、貫通させ中国に伝え戻すことに取り組んでいる。私はこのことに対し、とても期待している。これらの取り組みが中国政府に認められ、中国社会に受け入れられ、広められることを願っております。」と述べられた。

式辞を述べる仲田大僧正

土生川正道大僧正は式辞の中で「智廣阿闍梨は中国だけでなく、マレーシア等アジア各国からヨーロッパ各国に至るまで、一切衆生を大悲し、衆生の痛みを己の痛みとし、衆生の喜びを己の喜びとしている。密教の教義は現代の人々のあらゆる必要に応えるに最も適した教法であり、智廣阿闍梨はこの教法を実践するに相応しい人物であると、私は確信をもっている。」と述べられた。

式辞を述べられる土生川正道大僧正

さらに、智廣阿闍梨と共に唐密教の伝え戻し事業に励んでいる釋宏涛法師は式辞の中で智廣大阿闍梨を賛嘆し、「阿闍梨悲智廣大、徳相を具足し、衆生のために労することを惜しまず、教えを広めるために駆け回っている。このことを思う度に感動し、『法華経』の中の「弘誓深如海」という句を思い出す。」と述べられ、四明山一乗院を祝福し「宏開普門化度,大述密藏宗風;拓三途之覚岸,匯一乗而使帰!」と詠みあげた。

式辞を述べられる釋宏涛法師

御来賓による式辞(ゲシェ・ソナム住職、釋計華法師、釋悟然法師、法標・安椎扣氏)

正午は、仲田順和座主猊下のご厚意で、御来賓一同は三宝院に招かれ昼食。その後、一同は醍醐寺修証殿に集い、一乗院慧寶師の司会進行により、仲田順和座主、福恵善高院長、智廣大阿闍梨、釋宏涛法師、ゲシェ・ソナム住職、法標・安椎扣氏、王益鸣教授及び、一乗院首座慧智阿闍梨ら八名の高僧大徳が「仏教のグローバル化及び密教の現代的な弘法」というテーマで対談を行った。地球村(グローバル・ビレッジ)といわれるこの時代背景にあって、地域や国境や宗派を超え、仏教を輝かしく発展させる方法や理論を展開し、「仏教のグローバル化」がもたらす宗派間のコミュニケーションや融合、密教の現代での発展等について、更に深く討論し意見を交換した。来場していた四衆弟子や各界の人士は輝かしい知恵の盛宴を目の当たりにすることとなった。漢伝仏教、チベット仏教、日本仏教等の各宗派の代表及び、学術界の代表が揃って講壇に上がり、共に仏教各宗派の殊塗同帰、一乗に帰するというリメ(超教派)思想が繰り広げられた。

「仏教のグローバル化及び密教の現代的な弘法」対談の様子

「仏教のグローバル化及び密教の現代的な弘法」対談の様子(左から順に、王益鸣教授、釋宏涛法師、福惠善高院長、智廣大阿闍梨、仲田順和座主、ゲシェ・ソナム住職、法標・安椎扣氏、慧智阿闍梨)

対談は四時間近くも続き、壇上も聴衆もひとつになって打ち解け盛り上がり、そこには仏法が興盛し、仏教ファミリーが和気藹々としている光景が広がっていた。賢者達のこの上なく絶妙な知恵のハーモニーは甘露を飲む如く、法喜に満ち、その時が終わるのが名残惜しく感じられた。

法要二日目—チベット仏教晋山式

10月16日、オーストラリアホワイトターラ寺のゲシェ・ソナム住職が自ら、智廣大阿闍梨の為にチベット仏教晋山式を執り行った。

朝7時、智廣大阿闍梨自ら、まず一乗院の護摩堂でパドマサンバヴァ(蓮華生大師)大円満の護摩を行い、晋山式の円満を祈った。朝10時、ゲシェ・ソナム住職とご来賓一同は一乗院の門前に整列、ゲシェ・ソナム住職と智廣大阿闍梨のお二人で五色のカターをテープカットした。鋏が入りテープが切れると同時に、一乗院の山門がゆっくりと開き、智廣大阿闍梨は舞い散る花吹雪を浴びながら一乗院の門をくぐり、蓮師堂まで歩み進んだ。そして、師君三尊の前で、チベット仏教の高僧であるゲシェ・ソナム住職とご来賓の皆様による誦經と祝福を受け、また、四衆弟子たちを代表として悟然法師、妙善法師、慧智師、慧宝師から曼扎(manza)並びに、佛陀の身口意を表す仏像、仏経、仏塔の贈呈を受けられた。

智廣大阿闍梨が一乗院護摩堂でパドマサンバヴァ大円満の護摩供を行う様子

チベット仏教晋山式を円満に終え、大阿闍梨は、「今回の晋山式は、世界中で最も重要な仏教伝承を代表する方々が揃って一乗院にいらしてくださり、「一仏乗」思想として非常に良い縁起となった。私は一乗院を、宗派を超えた道場にしたいと強く願っている。そして、清浄な仏教の伝承はどれでも広く伝えられるようにと願っている。」

「私たちがしている全てのことの最終目的は、衆生に利益をもたらすことであり、私たちが顕密圓通の教法通りに修行し、より早く成仏することで、更に力が得られ、一切衆生に利益をもたらすことができる。これは私達にとって一番重要な思想のひとつです。皆さんがまず自覚し、それから覚他し、そして覚行窮満できるように願っています。これは私たち全ての仏弟子の共同の目標です。」と述べられた。

最後に、ゲシェ・ソナム住職と智廣大阿闍梨は花びらと米を撒いて参列者を加持し、談笑の中で、和やかにチベット仏教晋山式を円満に終えた。

法要三日目——日本真言宗と上座部仏教の晋山式

10月17日(旧暦9月19日)は、ちょうど観世音菩薩の出家記念日にあたる。午前9時45分、智廣大阿闍梨は衲衣を身に纏い、醍醐寺僧団、顕雲寺僧団、准提寺僧団、一乗院僧団と行列を組み、醍醐寺の北門から一乗院へ向かった。

智廣大阿闍梨と醍醐寺僧団,顕雲寺、准提寺僧団,一乗院僧団が列になり一乗院に向かう様子

午前10時、一乗院の本堂にて晋山式法要が始まった。まず、智廣大阿闍梨の先導で、醍醐寺僧団、一乗院僧団は共に、日本真言宗の伝統的な方式でお経を唱え、仏法興隆、人民安楽、国土安定、世界平和を祈った。それから、スリランカの光明山普覚寺から来られた住職の达玛科提·瑟罗法師が晋山式のために読経祈願し、智廣大阿闍梨のために、生花で荘厳された灯塔という非常に素晴らしい贈り物をされた。

智廣大阿闍梨が晋山式にて、日本真言宗の伝統的な方式で修法する様子

達玛科提·瑟罗法師が晋山式のために読経祈願する様子

初めに、一乗院代表の智廣大阿闍梨と上座部仏教代表の逹玛科提·瑟罗法師が法灯をつけ、日本仏教代表、醍醐寺宗務総長壁瀬宥雅様、チベット仏教代表のゲシェ・ソナム住職と法標様、漢伝仏教代表の計華法師、浄旻法師、悟然法師など、仏教各宗派を代表する方々、王一鳴教授、邢東風教授、張順平教授など学術界を代表する方々、一乗顕密仏教センターの各地代表、及び世界各地からのご来賓の皆様が順に、この仏教の光明、団結、繁盛、伝承を象徴する法灯の塔に灯をともした。

逹玛法師が法灯に点火する様子

智廣大阿阇梨が法灯に点火する様子

智廣大阿闍梨は晋山式で挨拶をし、当日来場した醍醐寺の僧侶たちに感謝の言葉を述べられた。特に達玛法師に「スリランカは唐密教の最も重要な祖師である不空三蔵がかつて普賢阿闍梨に密法を学んでいたところであり、今日は達玛法師にお越しいただき、しかもスリランカからこんなに殊勝的で、荘厳な法灯の塔を持ってきていただけたことは、本当に殊勝な縁起だ。」と感謝の意を述べられた。

続いて、醍醐寺の壁瀬宥雅宗務総長もご挨拶し、智廣大阿闍梨に伝灯阿闍梨の印信を授与された。式辞の中で祝福の気持ちを述べられた後、「智廣阿闍梨との出会いで最も印象深いのは、世界平和のために、醍醐寺の伽藍内に宝篋印陀羅尼塔を建てたことです。私の知る限りでは智廣阿闍梨は醍醐寺に来られる前に各国の仏法を習得され、その後醍醐寺座主仲田猊下との深いご縁により、醍醐寺で修学し真言密教を習得されたとのこと。一乗院が根本道場として、智廣阿闍梨の努力を通じて、空海大師が伝えてくださった伝承と、1200年間守り続けてこられた貴重な教法を中国並びに世界へと伝え拡げていくことを願っています。」と述べられた。また、普陀山螺溪伝教院から来られた住職、天台宗第47代目後継者浄旻法師及び、逹玛法師もそれぞれ祝辞を述べられた。

醍醐寺壁濑宥雅宗務総長が智廣大阿闍梨に伝灯大阿闍梨の印信を授けた

醍醐寺壁濑宥雅宗務総長によるご挨拶

一乗院智廣大阿闍梨のこの度の晋山式は、参加することができなかった、噶陀寺の黄金法台莫紮法王、竜欽寧提祖庭扎嘉寺のパトゥル·リンポチェ五世、ラルンガル·ゴンパ僧院のケンポ・丹増拉巴と登克活仏、ケンポ・晉美卓攀、亜青寺の澤登活仏、嘎絨寺の白瑪程列活仏、色達甲修寺の青澤尼瑪活仏、江頂寺の銀彭活仏及び智美活仏、徳格麻根寺の彭措活仏等の高僧大徳の方々からも次々と貴重な音声メッセージでのお祝いの言葉が寄せられた。

続いて、華南師範大学教授である王益鳴様,北京市明徳書院理事長、院長張順平様,一乗シンガポール顕密仏教センター郭思鋭会長,一乗オーストラリア顕密仏教センター代表の応雨盧様,一乗香港顕密仏教センターの容綪廷秘書長、一乗オーストリア顕密仏教センターの劉暁彬会長,台湾中華一乗顕密仏教交流協会とマレーシア北海居士林様などの方々からもお祝いの言葉が寄せられた。

一乗オーストリア顕密仏教センター劉暁彬会長による祝辞

一乗シンガポール顕密仏教センター郭思鋭会長による祝辞

一乗オーストラリア顕密仏教センター代表応雨盧様の祝辞

一乗香港顕密仏教センター秘書長の容綪廷様による祝辞

台湾中華一乗顕密仏教交流協会代表游基田様による祝辞

王益鸣教授は祝辞の中で,最澄大師と空海大師の密教伝承はいずれも不空三蔵法師から来たものであり、智廣阿闍梨も不空三蔵法師のように密教各宗派をひとつにし、密教をさらに広め発展させることを期待しているという思いを示された。

華南師範大学の王益鳴教授による祝辞

張順平理事長は祝辞の中で、「智廣阿闍梨が仲田順和座主に帰依し修習し、一乗院を晋山したことは、まるで千年前の因縁の再現のようであり、千年前の授記の実現でもあります。」と述べられ、以下の詩を詠み祝福の意を示した。

一乗転法華,貧子識珠御三車,普門度恒沙。

金胎耀千年,護国済世踵前賢,続焰更綿延。

清秋葉正紅,詩囊盛喜似酒濃,法誼両邦同。

北京市明德書院理事長、院長張順平様による祝辞

3日間の法要が円成した後、全員揃って醍醐寺の唐門の前で記念撮影をした。

正午、智廣大阿闍梨と、醍醐寺座主仲田順和大僧正猊下、達瑪科提·瑟羅法師、ゲシェ・ソナム住職等の御来賓が祝賀会に参加した。祝賀会において、智廣大阿闍梨は、恩師である醍醐寺仲田順和大僧正猊下及び醍醐寺の僧侶達に深い感謝の意を示された。阿闍梨は「私はとても平凡な人間であり、特別にアピールできるような功徳もありません。ささやかながら今日このようなことを成し遂げられたのは、恩師仲田順和座主また、高僧大徳ご各位、すべての醍醐寺の僧侶達、各界の友人、すべての弟子が支えてくださったからであり、みなさまの功徳のおかげです」

「今日の晋山式にあたって、私の心は感謝でいっぱいです。特に、恩師である仲田座主猊下に感謝しています。もし御座主がいなければ、一乗院もありません。また、醍醐寺の僧団もそうです、彼らがいなければ一乗院もなかったことでしょう。改めて今一度座主猊下へ、そして醍醐寺僧団へ感謝を捧げます。この7年間私を支え続けてくださったことを、深く感謝申し上げます。」と謝辞を述べられた。

醍醐寺修証殿にて謝辞を述べる智廣大阿闍梨

智廣大阿闍梨は仲田順和座主猊下の恩徳への感謝を表し、座主猊下の健康長寿を願って、世界中の弟子に准提観音真言を一億遍唱える共修を発起するとともに、座主の為に長久住世祈祷文を捧げた。

清净法身大日如来尊,伝承金剛一乗甚深教。

千年醍醐真言唯一人,唐密帰華全心報恩者。

如同至尊惠果阿闍梨,唐密回伝大師祈住世。

准胝観音薬師如来等,長寿諸仏祈賜大加持。

祈願順和大阿闍梨尊,弘法利生長寿祈住世。

大阿闍梨は自分には文才がないと謙虚におっしゃったが、ご自身の心の声を表したという。その後、阿闍梨は一句一句皆さんに解説をしてくださった。大阿闍梨の恩師に対する深い感謝、及び仲田順和座主の中国に対する恩に報いたいという心、日中の唐密教伝道者が共に唐密教の回伝の為に努力をしているということ。それらは、聴衆の心を深く感動させ、多くの弟子達は思わず涙を流した。

続いて、智廣大阿闍梨は特別に、仲田順和大僧正猊下に長寿仏を贈呈し、恩師の長久住世を祈った。

智廣大阿闍梨が仲田順和大僧正猊下に長寿仏を贈呈される様子

その後、智廣大阿闍梨は、「世界平和、文化交流、そして共に国家に対し、社会に対し、世界に対し有意義な事をする」を趣旨とする一乗「友の会」の設立を宣言し、仲田順和大僧正猊下を一乗「友の会」の導師として招請された。

仲田順和大僧正猊下は、感想の言葉を述べられ、智廣大阿闍梨及びその弟子たちに対する深い厚情を表すと共に、しっかりと智廣大阿闍梨についてよく学ぶようにと呼びかけられた。

仲田順和大僧正猊下は、「中国のより多くの若者、特に若い法師達が、日本に来て、醍醐寺で学び、修行をしてほしいと心から願っております。私と智廣阿闍梨はみなさんに良い環境を整えているところで、現在、真言宗の種智院大学に、その架け橋をつくって、すでに何名か種智院大学に留学をしている。ですから、僧侶の修行も醍醐寺で修学と修行ができるように手配することができます。茶道、華道の勉強も醍醐寺ですることができます。そうすれば、若者はここで学んだものを中国へ持ち帰り、中国で大きく広めていくことができるでしょう。私はこのような素晴らしい条件の整った流れを作り上げたいと思っています。」

「また、智廣阿闍梨の身分は醍醐寺が責任をもって保証致します。智廣阿闍梨は物見遊山の修行僧ではなく、真の修行僧であります。このことは、他から不適切に評価されるのを防ぐために言っておきますが、智廣阿闍梨は醍醐寺がしっかり保証しているので、みなさんどうぞご安心ください。今まで皆様にご協力させていただいている醍醐寺の僧侶達も、智廣阿闍梨を支持し、背後からの支えとなると思います。これからもよろしくお願いします」と述べられた。

醍醐寺修証殿にて感想の言葉を述べる仲田順和大僧正猊下

仲田順和座主は来場の一人一人に、醍醐寺三宝院開創九百年の記念硬貨という貴重な贈り物をしてくださった。智廣大阿闍梨とその場にいた弟子たちは丹精を込めて準備した金剛舞などの出し物を座主猊下に感謝と祈祷の念を込めて披露した。

金剛舞を仲田順和座主猊下に披露する智廣大阿闍梨の弟子達

最後に、会場では阿闍梨のサイン会を行い、智廣大阿闍梨の書籍を購入した来賓ひとりひとりに記念として、直筆でサインを書かれた。大阿闍梨は、丁寧に一筆一筆サインを書かれ、その字には大阿闍梨の衆生が離苦得楽し、成仏解脱するようにという慈悲の心が込められていた。

書籍を購入した来賓に記念に直筆のサインを書かれる智廣大阿闍梨

一乗院の晋山式は単に、智廣大阿闍梨の唐密教回伝の一過程というだけでなく、各宗派の交流と団結を促す盛儀となった。この円満吉祥な晋山式は、智廣大阿闍梨が四衆弟子を率いて仏法を広め、衆生を利益することの新起点でもある。智廣大阿闍梨の弘法利生の事業が拡大し、円成し、国家安泰、国民平安、仏法興盛、衆生成仏となるよう心から願うものである。

醍醐寺唐門前で記念撮影